発熱時は外来リハビリお断り
おとーちゃんは総合病院に勤務しています。
リハビリテーションは主に外来担当。
毎日多くの患者が通っています。
ですが、このコロナ禍のご時世のため、風邪症状や発熱、味覚・嗅覚障害など、新型コロナウイルス感染症の疑いがある場合は外来リハビリをお断りする決まりとなっています。
もちろん、2週間以内に県外に行った、または行った人と接触があった、など厳しい条件下となっています。
そんな中、今日新患でいらっしゃった患者が、発熱していたと外来より連絡がありました。
すぐに抗原検査をすることとなりましたが、
結果は陰性。
ですが、発熱しているため、本日の外来リハビリはご遠慮いただくことに。
すると患者からこんな話が。
「なんか先週末くらいからみぞおちが痛いんだよね。心窩部っていうの?病院に行ったら胆石かもって。」
もしや内臓疾患・・・?
嫌な予感がしたおとーちゃんは、すぐに外科に連絡。
受診していただくこととなりました。
発熱の原因は急性胆石胆管炎
午後になり、おとーちゃんは病棟の患者のリハビリに向かいました。
すると、看護師から緊急入院の患者について聞かれました。
「スズキくん、この人知ってる?鈴木くんの予約あったと思うんだけど。」
え?
まさか・・・。
そう、
外来リハビリをお断りした患者でした。
診察・検査の結果は、急性胆石胆管炎。
やっぱり風邪症状じゃなかった。
コロナじゃなかった。
病気が発見されてよかった。
近日中に緊急手術だそうです。
心窩部痛から疑われる病気
心窩部とは、みぞおちや胃のあたりのことです。
胃痛と勘違いされることが多いですが、必ずしも胃に問題があるわけではありません。
心窩部痛で疑われる病気は、
- 逆流性食道炎
- 胃炎
- 胃潰瘍、十二指腸潰瘍
- 機能性ディスペプシア
- 胆石胆管炎
- 尿路結石症
ちなみに、急性胆石胆管炎とは、
胆汁が肝臓で生成され、胆管を通り、胆のう内に貯留され、膵臓の頭部で膵管と合流し、十二指腸に排泄される、この通り道に石が詰まり胆汁が停滞することで、胆管が拡張したり炎症を起こして痛みが生じる病気です。
典型的には右季肋部(みぞおちのやや右側)の痛みと言われますが、心窩部痛を訴える方も多いです。
化膿性胆管炎になるとショックを引き起こし生命の危険にさらされることもあるため、注意が必要です。
この方も、ショック状態となる可能性もあるため、緊急手術が予定されたようです。
発熱≠コロナ
最近は、発熱すれば新型コロナウイルス感染症を疑うのが常識となってきました。
その他風邪症状なんかがあれば、もう決定的かのように扱われます。
しかし今回の症例のように、よくよく聞くと腹痛を訴えていたり、腰痛を訴えていたりすることがあります。
そこになんらかの問題があって炎症症状があると、発熱症状が出ることがあります。
発熱時に、風邪症状以外の症状がないかも確認することも大事です。
コロナ禍が常識となっているこのご時世。
見逃すべきではない病気を見逃さないように、何か異変があったらすぐに病院へ行きましょう。
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