医療職に多い失礼な言葉
おとーちゃんは理学療法士です。
総合病院に勤めています。
そのため、さまざまな疾患を抱えた高齢者と関わることが多く、
また他の一般的な職業からしても、高齢者と関わることが多いと思います。
基本的には、歳上や目上の方には敬語を使うことが多い現代社会。
比較的若い世代を中心に、そのような文化は薄れつつある気もしますが、
友人関係以外の、いわゆる社会人としての世界では、言葉使いは考えて行動しなければいけないことが多いです。
しかしおとーちゃんが働く医療現場では、高齢者を相手にすることが多いせいか、だいぶ失礼な言葉たちが飛び交っているような気がします。
医師、看護師、薬剤師、介護士、そして理学療法士などのリハビリテーション職。
おとーちゃんの実体験をもとに、今回は高齢者の立場になって、失礼な言葉かどうかを考えてみます。
「かわいい」
かわいいとは、
(小さくて)愛らしい。「―子ねこ」。小さい。
なんて記されていることが多いです。
つまり、小さいものや幼いものに対して、愛着を表現している言葉です。
そもそも、小さい子や動物に対して使う言葉で、
成人、ましてや年齢・社会的地位が上の方に対して使うというのは、敬意なんか考慮されていない使い方になります。
もちろん、女性の高齢者で、少しでも女子として見られているという感覚で嬉しいと感じる方はいらっしゃるかもしれません。
ですが、はるか年下の方に「かわいい」と言われると、
敬意と節度なんかない言葉を使われて、
「失礼な若者だね」
なんて感じる方が多いようです(おとーちゃんの患者達談)。
「かわいいおじいちゃん」
「かわいいおばあちゃん」
と言いたくなるのはわかりますが、
相手の気持ちを考慮して発言することが、関係性を保つことにつながります。
ちなみに、おとーちゃんが高齢の立場になって、
「かわいいね」
とかって若い医療者に言われたら、
たぶん、
怒ります。。。
みなさんはいかかでしょうか。
「ようこそ」
これ、結構失礼です。
病院にいらっしゃった方に対して
「ようこそ!」
と言う方がいますが、
病気になりたくて病気になる人なんかほとんどいません。
確かに「一緒に頑張りましょう」という意味合いが込められているのかもしれませんが、
「ようこそ」には、歓迎や感謝といった意味が込められています。
「病気になってくれてありがとうございます」
といった意味に聞こえるかもしれないのです。
医療・介護職の方は十分注意が必要なのですが、
悪いい言い方をすれば、病気という他人の不幸に対するサービスが収入となる職業なので、
不注意に感謝を示してはいけないと思います。
できるだけ共感する立場にいなければいけないので、
あいさつ→良い話し相手→共に戦う
という流れで接しなければいけません。
高齢者の立場からすると、命がかかっていることが多いです。
命懸けの戦いに「ようこそ」は、気持ちいいことありませんね。
そもそも敬語なんて使わない
これって、一般的なサービス業や、公務員、自営業などの現場ではあまりない印象です。
顧客に対しては必ず敬語を使うはずです。
ところがですね、医療現場は不思議なもので、
医師を中心に、看護師、介護士、理学療法士など、
敬語がかなり少ないです。
「調子どう?」
「ほらご飯だよ」
「元気でね」
「これしないと治らないよ」
しかもびっくりすることに、新人の医療職も、ベテランの医療職も関係ないのです。
おそらく高齢者の患者というのは、認知症を患っている方も多いです。
認知症というのは、簡単にいうと退化。
脳の萎縮などによって人間らしい判断ができなくなります。
つまり、行動が赤ちゃんに近づきます。
これが原因で、敬語を使わなくなるのかもしれないなと感じます。
しかし認知症を患っていても、高齢者であっても、敬意と節度は弁える必要があると思います。
立場が逆になれば、
「なんだこの失礼な病院は!」
「マナーがなってない病院だな。」
という感想になってしまいます。
医療もある意味サービス業です。
相手の気持ちを考えて接する必要があります。
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