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職場での異動と向き合うことができた先輩の言葉

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おとーちゃん
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社会人最大の苦しい経験となった異動

おとーちゃんは理学療法士です。

総合病院にて医師の指示の下、リハビリテーションを行なっています。

簡単にいうと、

麻痺してしまった方や大きな怪我をしてしまった方が、日常生活に復帰できるように歩く練習などを行なっています。
また、普段から腰が痛い・膝が痛い、などといった痛みの改善に向けたリハビリテーションを行うことも多くあります。

つまり、病気や怪我を治しにくる現場で働いており、おとーちゃんとしてはやりがいを感じていました。

 

しかし、2024年春から、

まさかの、

通所リハビリテーションへ異動してください

の通達。

え?

通所リハビリ?

介護保険

介護

医療職以外の方はピンとこないかもしれませんが、医療保険領域介護保険領域は目的が異なります。

医療保険領域とは、医療行為の治療費を一部負担する、という医療行為を行う領域です。

介護保険領域とは、40歳以上となり、介護が必要となった場合に介護保険サービス利用料を給付してくれる、という介護を行う領域です。

言い換えると、医療保険領域は治す現場介護保険領域は介護する現場なのです。

おとーちゃんは、理学療法士の視点で、病気や怪我から生活へ復帰する現場にやりがいを持っていたので、生活をお手伝いするいわゆる「介護」は正直やりたくない、という感じ方でした。

(介護現場の方、本当に申し訳ありません。ただの私の気持ちです。)

その現場へ異動・・・?

ほんとうに信じられない。

思いの外、この異動は絶望した出来事だったのです。

上司へ直談判

おとーちゃんとしては、理学療法士として進みたい道は決まっていたので、毎年上司との面談にて伝えていました。

このような分野で仕事をしていきたい。

こんな理学療法士になりたい。

医師と連携していきたい。

など、強い思いは毎年伝えていました。

なぜ、今異動・・・?

頭が真っ白になりかけていたので、すぐに上司に面談をお願いしました。

 

その時は納得がいきませんでしたが、上司の考えとしては、

  • 今まで触れたことがないことを経験してほしい
  • こんな理学療法士の仕事があることを知ってほしい
  • 介護の現場も知ることで、リハビリテーションの先があることを知ってほしい
  • 1年以内には元の部署へ戻す

とのことでした。

期限付き経験のための部署異動、とのこと。

今ではその考え方は理解できましたが、その時には納得がいかず、2度の面談を実施。

結局、上司の考えは変わらず、おとーちゃんも途中からわがままかな?と感じ始め、異動を受け入れることに。

 

いろんな先輩方へも相談しました。

まさかおとーちゃんが異動するとは思っていなかった、という先輩が多かったです。

そのくらい、おとーちゃんはいまの部署で頑張ってきたつもりです。

医師とも看護師とも信頼関係ができていた分、まさかの思いはあったようです。

ある先輩からのアドバイス

以前、同じ病院でお世話になった理学療法士の先輩がいました。

その方へも相談していたのですが、その先輩も過去に苦しい思いをした異動があったようです。

その先輩もそれを乗り越え、今があると。

確かに、

その苦しい経験を乗り越えるといい未来がある

なんて言葉をよくかけられましたが、

乗り越える前の私には、そのアドバイスはあまり響きませんでした

 

しかし、その先輩は別の言葉で励ましてくださいました。

おとーちゃんが目指していた理学療法士としての仕事は、

病気や怪我で動かなくなった身体を、動可能な限りけるようにして、日常生活への復帰を目指す

といった、「身体の動き」を変えることが目標でした。

動けなくなった身体を、生活内でお手伝い、またできる限り動かなくならないように予防する

という介護保険領域の考えは、あまりフィットしていませんでした。

そんな中での、先輩の一言は、

おとーちゃんがリハビリすることで、介護が必要だった人が動けるようになったらすごいことじゃない?

でした。

おとーちゃんにとっては、とても響きました。

視点をガラッと変えてくれた言葉でした。

 

確かに介護保険を利用される方全員が全く動けないと言うわけではありません。

むしろ、

所リハビリテーションは、身体機能の維持や回復のために、専門家の助言の下、運動を行うことで介護負担を軽減させることが目的です

つまり、

介護を必要としているが、おとーちゃんの働き次第では、動きが変わり、介護負担が減る方がいるのではないか?

という考えに至りました。

部署が変わること自体嫌でしたが、おとーちゃんが理学療法士としてやるべきことは変わらない、そのために一生懸命働こう、と前向きな気持ちにしてくれました。

異動した後の話

結果からいうと、来年度より元の部署へ戻ることになりました

上司の言ってくれたことは本当でした。

おとーちゃん的には、

乗り切ったー

と、大した経験ができたかはわかりませんが、長期の出張を終えた感?がありました。笑

 

通所リハビリテーションには、数年、ながくて10数年通っているという方が多くいらっしゃいました。

何かしらの病気や怪我にて、身体が思うように動かなくなっっても、自分の生活を守るために予防的に運動しに通ってくる、といった感じです。

しかし、その中にも、おとーちゃんのアドバイスで、

  • 歩く時の姿勢が良くなったでしょ!?
  • 「最近、腰の痛みはほとんどなくなりました。」
  • 「手がね、動くようになってご飯が作れるようになったの
  • 「膝の調子がよくなって、最近は夫と畑作業ができるようになりました。」

といった、身体の変化、生活の変化を感じてくれた方が多くいらっしゃいました。

その上で、実際にご自宅に伺わせていただき、さまざまな福祉用具などを提案するなどして、短い期間ではありましたが、介護を必要としている方々の実際の生活をみることができました。

そういった点では、異動して経験できてよかったなと。

今では思います。

 

先輩の一言がなければ、メンタルが落ちたままで、ただただその部署の仕事を淡々と行なって終わってしまったかもしれません。

先輩が、「おとーちゃんにできること」を見出してくれたからこそ、嫌に思っていた部署でも自分にできることを考えながら仕事ができたのだと思います。

そんな先輩になっていきたいなと、強く思う部署異動の出来事でした。

 

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